サイロ化

サイロ化とは、システムや組織上の部門が、他との連携もしくは情報共有をせずに単独で業務を遂行し、全体の中で孤立してしまう状態のこと。孤立化、タコツボ化。

システムであればアプリケーションの仕様や規格の違い、組織であれば派閥やしがらみなどによって、外部との接触や接点が少なくなる。そのため、業務がその中である程度完結して遂行できるようになり、発展性や拡張性を失ってしまう。外部からもシステムや組織内での業務遂行フローが不明瞭になり、連携ができないといった弊害が生じる。

サイロは、もともとは穀物や飼料などを貯蔵する倉庫、施設のこと。そこから転じて、閉鎖的な状態に閉じこもっていく、もしくは溜め込んでいく様子を表すビジネス用語として用いられる。

コモディティ化(汎用品化)

コモディティ化(commoditization)とは、市場における各社の商品の品質や特徴が拮抗し、付加価値や差がなくなって画一化してしまう状況のこと。商品の一般化、同質化、汎用品化。

市場に参入した当初は付加価値を持っていた商品が、後発品との競争や市場の成熟化、技術の標準化の中で機能や品質における特長を失い、一般消費財や低関与商材のように定着してしまう状態のこと。コモディティとは、そのように一般化して差別化できなくなった商品のことを指す。

コモディティ化が起こると、消費者の商品選択の基準が品質機能から市場価格へと移り、価格競争が起こりやすい。

消費者にとっては高品質な商品を低価格で購入できるメリットがあるが、その市場の成長が鈍化する場合がある。

ワーケーション

ワーケーション(workation)とは、在宅勤務だけではなく休暇中の旅行滞在先での仕事を認めるテレワーク、リモートワークを表す英語である。「仕事(work)」と「休暇(vacation)」を組み合わせた造語である。アメリカを中心に広まりつつある労働形態である。和製英語ではない。

テレワークとして自宅など特定の場所だけを認めるのではなく、連絡がすぐに取れる状況であれば、旅行の滞在先といった不特定な場所での勤務も認めるというもの。パソコンなどを使って仕事やテレカン(遠隔会議)をすることを前提としていることが多い。

ワーケーション利用者は、旅行先で休暇を楽しみながら、特定の一部の時間帯だけを仕事に充てるという形態が一般的である。

特に日本では、長期休暇の取得促進を目的の一つとしていることがある。日本では2015年前後から大手企業や自治体で試験的な導入が始まった。「働き方改革」が求められる中、休暇でリフレッシュしつつ業務の生産性を維持するワーケーションは、新しい働き方として期待されている。

心理的安全性

心理的安全性とは、対人関係において自分の言動が他者にどう認知されるか、どう影響を与えるかを強く意識することなく、自分らしく素直に行動できる状態や環境、雰囲気のこと。サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)。

他者から無知、無能、邪魔、ネガティブととられる行動をしても、相互信頼の高い組織であれば人間関係を損なうことなく、不当に低い評価を受けない。そのように心理的安全性が担保されたチームでは、高い生産性を保持できるとされる。

ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・C・エドモンドソン教授(Amy C. Edmondson)が1999年に提唱した。またグーグル社は2012年から取り組んできた労働改革プロジェクトを2016年に発表し、注目されるようになった。

Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

クロスサイトトラッキング

クロスサイトトラッキングとは、複数Webサイト(ドメイン)でのユーザー行動をCookieを活用して横断して情報収集し、紐付けて追跡する計測手法のこと。

Webサイトの訪問履歴から他サイトのアドネットワークで表示されるリターゲティング広告や、複数ドメインにまたがるWebサイトのアクセス解析などは、このクロスサイトトラッキングの仕組みを利用している。

Apple社のブラウザーSafariのITP機能によって、2017年からクロスサイトトラッキングは制限されるようになった(「サイト越えトラッキングを防ぐ」を参照)。

平文

平文とは、インターネットなどの通信における暗号化されていないデータや文字列のこと。読みは「ひらぶん」。クリアテキスト。

暗号化されたデータ「暗号文」との対比で、情報漏洩防止のための対策が取られていないデータのことを指す。「本来暗号化されるべきパスワードやクレジットカード番号が、平文でネットワークに送信、保存されていた」といった用いられ方をする。

パワーゲーム

パワーゲーム(power game)とは、もともとは筋肉の強さで相手を圧倒して負かしてしまうような大味なスポーツの試合のこと。

そこから転じて、国際政治の領域では政治的経済的な国力を背景に主導権を握ろうとする権力争いの意味で用いられる。

ビジネス領域では、各リーダーの役職や発言力をもとにした社内の権力争いの意味や、資金力に物を言わせた企業間の顧客奪い合いの競争の意味のビジネス用語として用いられる。

メディアキャラバン

メディアキャラバンとは、メディアや記者宛に訪問して自社製品やサービスを直接紹介するPR活動のこと。自社製品やサービスの記事化、パブリシティ獲得を目的とし、プレスリリースの前後に行われることが多い。

製品やサービスに関する情報を説明するだけでなく、メディア側のニーズや興味関心なども情報交換し、その後のメディアとの良好な関係を構築できる機会でもある。

メディアを1社ずつ回る様子が「キャラバン(隊商)」に似ていることから、メディアキャラバンと呼ばれる。

ボランタリー・チェーン (VC)

ボランタリー・チェーン(voluntary chain, VC)とは、同業種の小売業者が独立性を維持しながら、仕入れや物流などの営業活動を共同で行う組織、あるいはビジネスモデルのこと。任意連鎖店。

仕入れや物流を大口で行えるため、商品仕入れ単価の抑制や設備投資の削減といったメリットがある。

本部が中心となってチェーンオペレーションを行うフランチャイズ・チェーン(FC)と共通点は多いが、ボランタリー・チェーンでは本部と小売業者の立場は対等で、各社は独立した経営を行える。ただし、フランチャイズ・チェーンのように経営ノウハウを学べたり技術支援を受けられたりという機会は少ない。

日本の代表的なボランタリー・チェーンとして、全日食チェーンやCGCグループ、西川チェーン、ヤマザキショップなどがある。

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アウフヘーベン

アウフヘーベン(aufheben)とは、あるものを否定しつつも捨て去るわけではなく、より高い段階で新しい調和と秩序において生かし統一すること。止揚(しよう)、揚棄(ようき)。

古いものを否定して新しいものが現れる際、古いものが持つ一部の要素は新たなものに発展的に取り込まれて保存されるというもの。

ドイツの哲学者ヘーゲルが弁証法の中で提唱した基本概念。アウフヘーベンはドイツ語。

一致指標

一致指標とは、景気動向を示す経済指標のうち、景気の動きに対してほぼ一致して動く指標のこと。主に景気の現状把握に活用される。一致指数。

代表的な景気の一致指標としては、内閣府が発表している景気動向指数のうち、以下のものがある。

  • 耐久消費財出荷指数
  • 所定外労働時間指数(調査産業計)
  • 商業販売額(小売業、前年同月比)
  • 商業販売額(卸売業、前年同月比)
  • 営業利益(全産業)
  • 有効求人倍率(除学卒)

景気動向指数の利用の手引 – 内閣府

一致指標に対し、景気の動きに先行して敏感に動く経済指標を先行指標、景気変動にやや遅れて変化する経済指標を遅行指標という。

フールペナルティ

フールペナルティとは、一定条件までは無料や安価なサービスでありながら、利用者の不注意や無知などからその条件を超えてしまった際に高額な売上や請求が発生するようなビジネスモデル、契約、仕組みのこと。「フールペナルティ型ビジネス」などと称される。やや非難や不同意の意味合いを含む。

意図的にその条件をわかりにくくして利用者の不注意を引き起こそうとするような悪意あるビジネスもあれば、超過料金やオプションといった収益性の高い領域で利益を確保する適法で正当なビジネスもある。クレジットカードのリボ払い、レンタルDVDの延滞料金などが例に挙げられる。

利用開始や最初の契約が非常に容易または簡素であることが多く、目先の利便性だけに注目して金額的負担が大きくなる条件を理解しようとしない人がフールペナルティ型ビジネスのターゲット層になりやすい。

池田仮名氏が2013年に自身のブログ記事で用いたのが初出である。造語。
不注意が起こるアーキテクチャを作っておきながら、不注意を責め立てて小銭を巻き上げる「フールペナルティ型ビジネス」 – 太陽がまぶしかったから

グロス

グロス(gross)とは、「全体の」「総体の」という意味の英語である。ビジネス領域でも「グロス重量」「グロス面積」のように「全体の」「合計の」という意味で用いられる。

ただし、広告業界やマーケティング業界における「グロス」は、「合計の金額」「全体の金額」という「金額」の意味を含む名詞として用いられる。特定の広告キャンペーンにかかった原価や手数料、諸経費をすべて含む「広告キャンペーンの総額」という意味で「グロス」は用いられる。ビジネス用語の一種。

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タスクフォース

タスクフォース(task force)とは、特定の課題に取り組むために一時的に設置される特別組織のこと、あるいはそのような一時的な役割や業務を担うこと。タスクフォースのメンバーは各組織から横断的に選抜され、課題を達成すれば解散となる。もともとは「任務部隊」を表す軍事用語。

「プロジェクトチーム」とほぼ同義だが、タスクフォースの方がより緊急性が高く短期間での解決を求められることが多い。

課題に対して迅速かつ柔軟に対応できるという長所があるが、課題を達成すれば解散となるため、そこで得られた知見をいかに組織として共有するかが求められる。

DMU (Decision Making Unit, 意思決定主体)

DMUとは、Decision Making Unitの略で、最終的に購買を決定する権限を持つ人、あるいはその関与者のこと。「意思決定主体」「意思決定者」。

DMUに対して適切なアプローチをするために、DMUの特定と購買プロセスの明確化が、営業やマーケティングでは重要となる。

BtoBにおいては、エンドユーザーが必ずしも決裁権限を持つわけではなく、購買決定までに複数の人や組織、企業が関与することがある。それぞれの立場によって判断要素が異なるため、アプローチ方法を変える必要がある。

ドラスティック

ドラスティック(drastic)とは、「抜本的な」「思い切った」「徹底的な」「極端な」という意味の英語。ビジネス領域では、物事を根底から覆すような大きな変化の際に使用する。

「ドラスティックな変化」「ドラスティックな取り組み」といった用い方をされる。従来のルールややり方を大きく変えて劇的な良い結果を生み出したり期待したりする際に用いられ、ポジティブな意味合いを持つことが多い。

アジャイル

アジャイル(agile)とは、元々は「機敏な」「素早い」「頭の回転の早い」という意味の英語である。ビジネス領域では、環境や状況の変化に機敏かつ柔軟に適応して、効率よく理想の状態に近づいていくことを指す。

仕様変更を前提として反復的な開発を進めていく「アジャイルソフトウェア開発」、用意周到な計画ありきではなく環境変化への迅速な対応を目的として目標や戦略戦術を短期間で決定する「アジャイル経営」「アジャイルマーケティング」といった用い方をされる。

「アジャイル」は、上流の計画が分解されて下流まで計画通りに進むことを前提とした「ウォーターフォール」モデルに代わるものとして、環境変化への柔軟性を求めるベンチャーやスタートアップ界隈を中心に支持されている。

アノテーション

アノテーションとは、もともとは注釈、記注の意味である。IT分野においては、データやプログラム記述に対して注釈となる情報やメモを付与すること、もしくはその付加情報のことを指す。

Javaのプログラムの中にメタデータとして注釈を加えたり、文書を出力する際に「社外秘」「日付」などを付与したり、分析ツールのデータの日付にイベント等を付与する機能などが該当する。

慣習価格

慣習価格とは、長期にわたって一定に維持された価格が消費者の意識に定着している価格のこと。「○○といえばこの値段」という心理的価格の一つ。

自動販売機の缶ジュース、ガム、豆腐、もやしなどの価格が例に挙げられる。

慣習価格の製品は、価格を下げても需要は大きく伸びない。一方で、そのままで価格を高くすると消費者は値段に反応して需要は大きく減り、売れなくなってしまう。原材料費や人件費などの生産コストが高騰した場合、サイズや内容量を減らして価格を維持するといった調整が行われることがある(シュリンクフレーション)。

名声価格(威光価格)

名声価格とは、価格の高さが品質の良さを連想させたり、購入者が所有することで優越感や満足感を得たりするような価格のこと。「価格が高いからこそ買う」という心理的価格の一つ。「威光価格」とも呼ばれる(読みは「いこうかかく」)。

消費者が価格以外に商品の品質や価値を判断できない場合ほど、高い価格を付けた方が商品価値が高まる。その需要に応じて市場が価値を決める場合と、販売者側が意図的に価値を高くコントロールする場合の両方がある。

高級ブランド品、貴金属や宝石、美術品、購入頻度が少ない商品などで見られる。