ツァイガルニク効果(ゼイガルニク効果)

ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect, ゼイガルニク効果)とは、達成できなかったことや中断していることの方が、達成や完了したことよりも強く人の記憶に残るという心理的現象のこと。人は目標に向かっているときは緊張してそれが持続し、目標を達成すると緊張を解消するため、目標に向かっている途中の方をより強く覚えるというものである。

ドイツの心理学者クルト・レヴィン(Kurt Zadek Lewin)の仮説に基づき、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク(Bluma Wulfovna Zeigarnik)が実証し、1927年に発表した。

ツァイガルニク効果は、中断して続きの内容に興味を持たせる手法としてマーケティング領域にも応用されている。例えば、最初は無料で利用できるが途中から有料になるサービスや、CMにおける「続きはウェブで」のコピー表現、テレビ番組のハイライトの手前で「CMのあと、ついに!」と煽るテロップ表現といったものが挙げられる。

テスティモニアル

テスティモニアル(testimonial)とは、「推薦状、証明書」などを意味する英語だが、マーケティングの領域においては商品に対する「お客様の声」、利用した消費者や著名人の好意的な文章や発言のことである。広告や宣伝として、Webサイトや印刷物、テレビCMや動画などさまざまなフォーマットで見られる表現である。「推奨意見」。

消費者や著名人が広告やWebサイトなどに登場し、その商品の特徴や効果を推奨することで、安心感や信頼を得て商品の訴求力を高めることができる。口コミの一種であるが、テスティモニアルは好意的に推奨する表現であり、著名人や専門家を用いて権威性を高めることが多いのも特徴である。

テスティモニアルを用いた広告を「テスティモニアル広告」「推奨広告」「立証広告」という。

返報性の原理

返報性の原理(norm of reciprocity)とは、相手が自分にしてくれたことに対して、自分も同じようにお返しをしなければならないと思う心理的傾向のこと。相手から施しや好意を示されたとき、そのままでは心理的に居心地が悪く罪悪感を感じてお返しをしなければ申し訳ないと考えたり、あるいは相手と同じ立場に立ちたいと思ったりするというものである。

人付き合いだけでなく、ビジネスにおいても相手に小さな貸しを作って見返りを得るといったマーケティング手法などに応用されている。

ドア・イン・ザ・フェイス」のセールステクニックは、最初に過大な要求を提示して相手に断られた後に、本命の要求を出すという方法で、「一度断った」という罪悪感に対する返報性の原理を利用したものである。

無料のお試しや試食なども、好意に対する返報性の原理を利用している。

ゴルディロックスの原理(松竹梅の法則)

ゴルディロックスの原理(Goldilocks principle)とは、過度すぎず不足すぎない、一定の範囲内の「中間のほどよい状態」を意味する概念のこと。

イギリスの童謡『3匹の熊(Goldilocks and the Three Bears)』にて、小さな女の子ゴルディロックスが熊の家に入り、テーブルの上の3つのお粥のうち、「熱すぎる」のも「冷たすぎる」のも避け、「ちょうどいい温かさ」のお粥を全部飲んだことに由来する。

経済やマーケティングをはじめ、さまざまな領域でこの概念は用いられる。

続きを見る »

ESG投資

ESGとは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」のそれぞれの頭文字を取ったもので、投資家や金融機関の投資基準を変えるために国連が2006年に提唱した「責任投資原則(PRI)」にて用いた用語である。読みは「イーエスジー」。また環境や社会、ガバナンスに対して積極的な取り組みをする企業に対して投資すること「ESG投資(ESG Investing, Sustainable Investing)」という。

企業が持続可能性(サステナビリティ)を確保して長期的な視点で成長するにはESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みが重要となり、そのような企業への投資が市場の一般的な投資方法の1つになっている。

企業のESGへの取り組みに対する評価は、金融の国際的な格付け機関であるMSCIやFTSEなどが独自の基準で行ったりするが、世界共通の標準的な評価基準は存在しない。

続きを見る »

コネクテッドTV(CTV, スマートテレビ)

コネクテッドTV(Connected TV, CTV)とは、インターネット回線に接続されたテレビ端末のこと。動画配信サービスなどOTTセットトップボックス(STB)やゲーム機などを介してインターネットに接続し、さまざまなコンテンツを利用できるテレビ端末のことである。インターネット機能が組み込まれIoT化された「スマートテレビ」もコネクテッドTVに含まれる。略称は「CTV」。

かつてのテレビ端末は、テレビ局など放送事業者によって事前に決められたプログラム番組をアンテナやケーブルを介して受信するものだった。現在のテレビ端末はインターネットに接続できるものが普及し、好きな時間にNetflixやAmazonプライム、YouTubeなどのOTTのコンテンツやゲームなどを利用できる。

もともとはインターネット回線に接続されたテレビ端末のことであるが、そのようなテレビにコンテンツを配信する事業者のことを「コネクテッドTV各社(CTV各社)」と呼ぶこともある。その意味では「OTT (Over The Top)」と同義である。

マジカルナンバー7±2(ミラーの法則)

マジカルナンバーとは、人間が瞬間的に保持できる情報の数は「7±2」であるとするもの。アメリカのハーバード大学の心理学者、ジョージ・ミラー教授(George Armitage Miller)による1956年の論文「The Magical number seven, plus or minus two」で登場し、人間が短期記憶に保持できる情報の数は7±2(7を中心としてプラスマイナス2、つまり5~9)であることを主張していると解釈されることが多い。認知心理学の研究の先駆けとなった。「マジカルナンバー7±2」「ミラーの法則(Miller’s law)」とも呼ばれる。

短期記憶とは人間が瞬間的に保持できる記憶のことで、数十秒しか記憶されず、また情報の容量の大きさにも限界がある。ミラーは、保持する情報の単位を「情報のかたまり」として「チャンク(chunk)」と呼び、短期記憶で保持できるチャンクは「7±2」であるとした。ただし該当するのは日常的なものに限定される。

続きを見る »

バーナム効果(フォアラー効果)

バーナム効果(Barnum effect)、もしくはフォアラー効果(Forer effect)とは、誰にでも当てはまるような一般的な性格や特徴を表した記述に対して、自分に当てはまる内容だと思い込んでしまう心理的現象のこと。星占いや血液型占い、心理テストなどにおいて、この効果を多く用いているとされる。

その占いや心理テストによる記述に権威性があり、ポジティブな内容が多いほど、より強くこの効果は現れる。

アメリカの心理学者バートラム・フォアラー(Bertram R. Forer)が、1948年に学生に対して行った心理テストの実験でこの現象を確認した。後の1956年に、アメリカの心理学者ポール・ミール(Paul Meehl)が自身のエッセイの中で、このような曖昧な性格分析描写と同様の表現を用いた興行手法で成功を収めた興行師P・T・バーナム(Phineas Taylor Barnum)にちなんで「バーナム効果」と名付けた。

奇数の法則

奇数の法則とは、「奇数の数字の方が偶数よりも注目度が向上したり、心地よく感じたりする効果がある」とするもの。

Outbrain社とHubSpot社による2011年の調査によれば、数字を含む記事見出しのリンクは数字を含まない見出しのリンクの2倍のクリック率があり、さらに奇数を含む見出しは偶数を含む見出しよりもクリック数が20%高かった、としている。

しかし、該当の調査記事は後に内容が編集され、現在は上記の調査結果データを確認できない(該当記事)。

続きを見る »

デブリーフィング

デブリーフィング(debriefing)とは、リサーチの領域においてはインタビューや定性調査などの終了直後に行われる報告、あるいは報告会のこと。非公式なもの、あるいは口頭で行われるものもある。インタビュアーやモデレーターと観察者、クライアントなどが、それぞれの気付きや意見を交換し、要点の整理や方向性の確認を行うもの。関係者の認識を合わせることを目的とする。「デブリ」と略されることもある。

もともとは軍事用語で、実行後の状況の報告を受けることや事実確認を指す。事前に行われる要旨の報告「ブリーフィング」に対して、事後の要旨の報告が「デブリーフィング」である。

心理的調査においては、災害に遭うなど大きな精神的ショックを経験した人に対して行われる急性期の支援介入手法である心理的デブリーフィング(psychological debriefing、PD)のことを指す。ストレス反応の緩和とPTSDの予防を目的とするが、逆にPTSDを悪化するという報告もある。

オーセンティック

オーセンティック(authentic)とは、「本物の」「正真正銘の」「正統な」「信頼できる」「認証済みの」といった意味の英語である。オリジナルで歴史ある存在であり、かつその後に類似するものや派生したものが登場しても正統な存在としてあり続けるものに対して用いられる。オリジナルもしくはトラディショナルなもので、保守的ではあるが格式や伝統を重んじる。

ファッションや文化、ブランドに対して用いられることが多い。

B Corp認証(Bコーポレーション)

B Corp(B Corporation, Bコープ, Bコーポレーション)、あるいはB Corp認証とは、環境や社会に配慮した事業を行っており、かつ株主や従業員、顧客、消費者などに対しても利益を生んでいるなど、公益性の高い企業に与えられる国際的な認証制度のこと。2006年に発足したアメリカの非営利団体「B Lab.」が認証する、環境や社会に配慮した「良い企業」の認証制度である。

「B」は英語の「benefit(ベネフィット、便益)」を意味する。コーポレートガバナンス、従業員、コミュニティ、環境といった分野にて、B Labが掲げる厳しい評価基準を満たした企業に対して与えられる。

2021年現在、世界で4,000社近い企業が認証を受けている。環境や社会、コーポレートガバナンスといった社会的責任への投資(ESG投資)に注目が高まる中、欧米を中心に取得する企業が増加しているが、日本で取得している企業は少ない。

アメリカの一部の州で法的に認められている企業形態の一つ「benefit corporation(ベネフィット・コーポレーション)」とは異なる。

Certified B Corporation

続きを見る »

バックキャスティング

バックキャスティング(backcasting)とは、理想的な未来を定義し、そこを起点にしていま取り組むべき施策や行動を考える課題解決の手法のこと。あるべき姿や目標となる未来を規定し、そこに到達するにはどのような行動を取らなければならないかを考えるという思考法である。

現在の状態や課題を起点とし、過去データの分析や経験などから未来を予測する「フォーキャスティング (forecasting)」と対になる思考法である。フォーキャスティングは改善のアプローチであり、実現の可能性は比較的高い。一方でバックキャスティングは、従来の行動では到底到達できない目標に対して、既存の仕組みにとらわれないイノベーションによって到達を目指す創造的アプローチであるといえる。

環境問題をはじめとしたSDGs、国家レベルの長期ビジョン策定やVUCA時代における経営ビジョン作成などで用いられる。「ムーンショット」もバックキャスティングのアプローチの一つ。

1990年にカナダのウォータールー大学の環境資源の研究者だったジョン・B・ロビンソン(John B. Robinson)がこの手法の基礎を取りまとめ、環境問題の解決アプローチの一つとして広まった。

ギフティング

ギフティング(gifting)とは、もともとは自分が所有するものなどを相手に贈ったり共有したりすることであるが、マーケティングの領域においては複数の意味があり、「投げ銭」、もしくはインフルエンサーに対して商品やサンプルを送付してPR投稿を依頼する施策のことを意味する。

続きを見る »

OTA (オンライントラベルエージェント)

旅行や観光の領域におけるOTAとは、Online Travel AgencyもしくはOnline Travel Agentの略で、インターネットのみで取り引きを行う旅行会社のこと。店舗で営業を行う旅行会社がWebサイトを用いてインターネット販売を行うものはOTAには含まれない。オンライントラベルエージェント。読みは「オーティーエー」。

旅行会社として登録されたオンライン旅行会社であり、宿泊や航空券の予約、それらのセット商品や旅行保険などを販売する。

代表的なOTAにExpedia、Booking.com、Hotels.com、日本では楽天トラベルやじゃらん、るるぶトラベル、一休.comなどがある。

各OTAの旅行商品を横断して検索できるWebサービスはメタサーチサイト(メタ検索エンジン)であり、OTAとは異なる。代表的な旅行のメタサーチサイトには、TripAdvisorやTrivago、Skyscanner、日本ではフォートラベルやLINEトラベルjpなどがある。

スクリプト

スクリプト(script)とは、台本や脚本、手書き、筆記体などを意味する英語であり、もともとは「手で書かれたもの」を由来とする。ビジネスの営業(セールス)の現場においては、営業担当がテレアポなどで顧客と話す際に手本となるマニュアル台本のことを「スクリプト(トークスクリプト)」という。

ITの領域においては、プログラム言語のうち人間が理解しやすい簡易的なものを「スクリプト(スクリプト言語)」という。通常、プログラム言語はコンピューターが実行できる形式に変換されるが(コンパイル)、スクリプト言語はその処理をソフトウェアなどが自動化するため、人間が理解できるテキスト形式で処理、実行できる。Webブラウザーで実行されるようなJavaScriptやPHP、Ruby、Pythonなどが該当する。

管理価格

管理価格(administered price)とは、商品やサービスの価格が需要と共有のバランスや市場経済によって決まる前に、その市場に対する支配力を持つ少数の企業によって人為的に設定された価格のこと。カルテルによって操作される価格とは異なり、他の企業も追随するため、一定の期間その価格は維持される。

市場の変化に対して価格が調整されることは少なく、特に下方に対して硬直的になりやすいため、インフレーションの原因となる。

テキストフラグメント (text fragments)

テキストフラグメント(text fragments)とは、Webページ上の任意のテキストをページ内リンク用のURLフラグメントとして利用できる機能、あるいはそのフラグメント識別子のこと。ブラウザーのChrome 80以降(Chromiumベースのブラウザーのバージョン80以降)でデフォルトで有効になっており、Googleによる公式の拡張機能「Scroll To Text Fragment」を用いることで、選択したテキストに対するリンクを利用できる。

URLの末尾に以下を付与することで、Webページ上の「テキスト文字列」をハイライト表示したページ内リンクを利用できる。

#:~:text=テキスト文字列

ナレッジパネル

ナレッジパネル(knowledge panel)とは、人物や組織、場所、物事についてGoogle検索した際にSERP(検索結果ページ)に表示される情報のボックスのこと。その人物や物事などに関する主要な事実がトピックスごとにまとめられており、概要を素早く理解することができる。モバイルであればSERPの上部、デスクトップであればSERPの右側上部に表示される。

通常のナレッジパネルは、タイトルと概要文、写真、主要な事実、公式Webサイトへのリンクなどで構成されるが、検索項目によって表示内容は異なる。

Web上のさまざまな情報を元にしており、場所であれば所在地や概要文などの他、ローカルビジネス向けサービス「Googleマイビジネス」で登録した情報や投稿、口コミなども含まれる。企業であれば株価や代表者名や資本金などの基本情報、ミュージシャンであれば代表曲、俳優であれば出演映画、スポーツチームであれば所属選手なども表示される。

続きを見る »

VOC (voice of customer, 顧客の声)

VOCとは、「voice of customer」の略で「顧客の声」を意味する。品質管理のための経営改革手法「シックスシグマ」における課題の定義(DMAICのDefine)にて重要な役割を持ち、把握すべき顧客による評価や要求、競合他社や市場の変化などが該当する。このVOCから、経営課題として解決すべき重要なニーズ(CTQ, critical to quality)を抽出していく。

狭義ではアンケート調査やインタビュー、コールセンターやソーシャルメディアなどで収集した「お客様の声」の場合もあるが、本質的には製品やサービスの品質改善や開発に必要なプロセスであり、経営に組み込まれるべき要素の一つである。

続きを見る »