名寄せ

名寄せとは、複数に分散したデータベースの中から、氏名やメールアドレス、住所や電話番号などの情報をもとにして、同一人物や同一企業を一つにまとめる作業のこと。もともとは金融機関が複数口座を保有する顧客を一元管理して、預金総額などを算出するために行われていたものだが、金融機関以外でもデータベースを統合して行われる顧客の一元管理のことも名寄せと呼ぶようになった。

名寄せは、以下のような手順で行われることが多い。

  • データの調査:データの各属性の入力状況の確認
  • データの抽出:データベースからデータを抽出し、項目のフォーマットを統一
  • データのクレンジング:値の表記やフォーマットを統一し、修正や削除
  • ID付与とマッチング:同一と識別されたデータに一意のIDを付与、特定可能な状態にする

バミる(場見る)

バミる(ばみる)とは、演劇の舞台やテレビ収録のスタジオなどで、役者や出演者の立つ位置や道具を置く場所にあらかじめ目印を付けること。客席から気付きにくい、あるいはカメラに映らない足元などに、ビニールテープや養生テープ、蓄光テープを使用して×印などを付ける。舞台や収録の進行に不可欠な印である。舞台用語、テレビや映像制作業界の業界用語である。

「場を見る」が由来であるという説があり、「場見る」とも表す。このようにして付けられた印は「バミリ(ばみり)」と呼ぶことがある。

不気味の谷

不気味の谷(uncanny valley)とは、人の容姿に似せた表現の忠実度を高めると、それまで抱いていた好印象からある時点で急激に不快に転じる現象のこと。マネキン、CGや3D映像、ロボットやVRなど、さまざまな領域で発生する心理現象である。静的なもの、動的なもののどちらでも発生する。

表現がより人間の容姿に近づくほど親近感や魅力が高まるが、ある時点で「非常によく似ているがほんのわずかな違和感」に嫌悪や恐怖、不気味さを感じ、それまで感じた魅力の高まりが急降下する様子に由来する。1970年に東京工業大学のロボット工学者、森政弘氏が発表した。

人間とほとんど見分けが付かなくなると、感情は「不気味の谷」から回復し、再び親近感は上昇する。

ハイタッチ

ハイタッチ(high touch)とは、人間による丁寧で人間らしい関与や対応のこと。コンピューターや最新技術による自動化された対応との対比、異なるものとして用いられる。マーケティングやカスタマーサクセス、営業の領域では、人手を掛けた柔軟な個別対応のことを指す。

アメリカの未来学者ジョン・ネイスビッツ氏(John Naisbitt)が1982年の著書『Megatrends(メガトレンド)』にて、画一的に自動化された「ハイテク(high tech)」の対義語として用いたのが起源とされる。ハイテクによりかえって質の悪化が発生することがあり、人間的要素は求められるだろうというものである。

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テックタッチ

テックタッチ(tech touch)とは、カスタマーサクセスを実施する際に、大口顧客ではない多数の顧客に対してテクノロジーを活用して行う一律化した対応のこと。人の手の介入を最小限に抑えて、広範囲にかつ同時に対応することを目指したもの。「ノータッチ (no-touch)」と同一の意味で用いられることもあるが、異なるという指摘もある。

SaaSなどのビジネスで行われることが多い。メールや電話での対応、チャットボット、自動化したメール、動画やヘルプやFAQなどのオンラインコンテンツ、オンラインコミュニティなどが該当する。

顧客に対する過剰もしくは過小な対応を防ぎ、顧客のLTV(顧客生涯価値)の最大化のために自社のリソースを適切に割り当てる取り組みの一つである。

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シズル(シズル感)

シズル(sizzle)とは、もともとは料理の際に食材を熱々の油で焼いたり揚げたり、また熱した鉄板に水を落としたりしたときの、ジュージューと音を立てる様子を表す英語である。そこから転じて、マーケティング領域では消費者の五感を刺激して食欲や購買意欲や喚起する広告表現や手法のことを表す。後者の「食欲や購買意欲を喚起するような表現や臨場感」を日本では「シズル感」と呼ぶ。

シズルが広告表現やマーケティングにおいて有効な手段であることを最初に指摘したのが、アメリカのコンサルタントElmer Wheeler(エルマー・ホイラー)氏である。彼は1937年の書籍『ステーキを売るなシズルを売れ(Tested Sentences That Sell)』で、販売やマーケティングのノウハウを5つの「ホイラーの5つの公式」にまとめた。その一つがシズル感である。顧客は商品のスペックや値段よりも感覚的な「買いたくなる理由」の方により魅力を感じるというものである。

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ランド・アンド・エクスパンド戦略

ランド・アンド・エクスパンド戦略(Land and Expand Strategy)とは、企業にサービス導入を販売する際に、無料や小規模の導入から始めて顧客と関係性を作ってから、徐々にアップセルやクロスセルの機会を作って売上を拡大していく戦略のこと。

最初から大規模な導入を提案すると導入障壁を上げてしまい、未契約のリスクが高くなる。そのため、無料プランや小規模な導入、少額のサブスクリプション契約からスタートし、適切な機会を窺ってその拡大や追加を図るというものである。時間の経過とともに効率的な販売機会を探ることができたり、取引拡大の際に顧客側に経験豊富なユーザーが存在するといったメリットがある。

アルムナイ (alumni)

アルムナイ(alumni, アラムナイ)とは、英語の「男性の卒業生、同窓生、OB」を表す「alumnus」の複数形で、学校などの卒業生や同窓生、企業の離職者、退職者、OB、OGのこと。「alumni」は男女両方の卒業生たちを表すが、女性の卒業生「alumna」の複数形「alumnae(アラムニー)」を用いた「alumni and alumnae (alumnae and alumni)」の表現が使用されることもある。

近年、企業から一度離職、退職した人たちを貴重な人材として捉え、組織化して企業との接点を維持し、「アルムナイ制度」「出戻り制度」として再雇用につなげる動きが見られる。自社の文化を知り、低い教育コストで高いパフォーマンスが期待できるといったメリットがある。

ボトムオブファネル (BoFu)

ボトムオブファネルあるいはボトムファネルとは、消費者の購買プロセスである「ファネル」の購買に非常に近い段階を表し、消費者が課題を特定もしくは理解を固めて商品を比較評価している段階である。

見込み顧客として商品を積極的に選択しようとしているため、企業としては営業担当者からの電話やメール、デモやサンプルの提供といったクロージングのアプローチをしていく必要がある。

インバウンドマーケティングの領域では、3つに分けられたファネルの購買に一番近い地点として「BoFu (Bottom of the Funnel, ボトムオブファネル)」と呼ばれる。


▲マーケティングファネルとToFu、MoFu、BoFu

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トップオブファネル (ToFu)

トップオブファネルあるいはトップファネルとは、消費者の購買プロセスである「ファネル」の最も初期の段階のこと。興味関心が始まったばかりで「とりあえず知った」という初期の認知の段階である。

潜在顧客としてまだ知識も少なく興味の度合いも低いため、企業にとっては認知してもらうための仕組みや興味を引くコンテンツを提供し、関係性を築いていく必要がある。

インバウンドマーケティングの領域では、3つに分けられたファネルの一番上にあることから「ToFu (Top of the Funnel, トップオブファネル)」と呼ばれる。


▲マーケティングファネルとToFu、MoFu、BoFu

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経験財

経験財(experience goods)とは、購入して実際に消費することでその品質や価格を把握、評価できる商品やサービスのこと。商品やサービスの仕様だけでは期待しているものと同じかどうかを評価しにくく、実際に消費し経験することで評価できるようになる財のことである。

食品やレストラン、ホテル、レジャー施設などが該当する。企業側による商品やサービスの情報は広く流通しているが、消費者はそれだけでは判断しにくく、口コミなどでの感想や評価が一定の判断材料になることがある。

商品やサービスの品質を消費者が知るタイミングで分類したものの一つであり、以下の3つに分類される。

  • 探索財:購入前に調べることでその品質を把握、評価できる商品やサービスのこと
  • 経験財:購入して消費することで初めてその品質を評価できる商品やサービスのこと
  • 信頼財:購入後もその品質の評価が難しい商品やサービスのこと

探索財

探索材(search goods)とは、購入前に調べることでその品質や価格を容易に把握、評価できる商品やサービスのこと。商品の仕様が明確なため、事前の調査や検索を通じて商品の特徴を把握でき、購入や使用の判断ができる財である。

多くは商品の情報が豊富で広く流通しており、評価基準がある程度明確である。日用品や生活雑貨、電化製品をはじめとした耐久消費財、衣料品、鉄道乗車券や航空券などが該当する。

商品やサービスの品質を消費者が知るタイミングで分類したものの一つであり、以下の3つに分類される。

  • 探索財:購入前に調べることでその品質を把握、評価できる商品やサービスのこと
  • 経験財:購入して消費することで初めてその品質を評価できる商品やサービスのこと
  • 信頼財:購入後もその品質の評価が難しい商品やサービスのこと

傍観者効果

傍観者効果(bystander effect, bystander apathy)とは、目の前で起きた他者を救助すべき状況において、周囲に自分以外の多くの人がいることによって対処する行動が抑制される集団心理現象のこと。傍観者が多いほどその心理現象は強くなる。

傍観者効果が生じる要因として、以下の3つが挙げられる。

  • 責任の分散:人は重大な場面で責任を負うことを回避して、他者が行動するのを当てにするというもの
  • 多元的無知:他者が皆、援助行動を起こしていないことから、緊急性を要しないと誤って判断するというもの
  • 評価懸念:行動を起こして失敗したときの他者からのネガティブな評価を恐れて、援助行動が抑制されるというもの

1964年にニューヨークで発生した殺人事件「キティ・ジェノヴィーズ事件」をきっかけに、心理学的な研究が進んだ。

デ・マーケティング(ディマーケティング)

デ・マーケティング(demarketing)もしくはディマーケティングとは、「需要を喚起する活動」である通常のマーケティングとは逆の、「需要を抑制するマーケティング」のこと。企業の供給能力を超える需要があった場合などに、販売を制限したり価格を上げたり、販売促進活動を減らしたりして需要を抑えるというものである。

フィリップ・コトラー(Philip Kotler)とシドニー・レヴィ(Sidney Levy)が、1971年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』の「デ・マーケティング戦略」にて提唱した。彼らはデ・マーケティングを以下の3つに分類している。

  • 一般的デ・マーケティング:企業が需要の全体の水準を下げたい場合
  • 選択的デ・マーケティング:ある市場セグメントの需要を抑制する場合
  • 表面的デ・マーケティング:需要を抑制しようと見せかけつつ、結果として需要増加を図る場合

マーケティングが売上や利益を拡大するための需要喚起の活動が中心である中、中長期的な視点で需要と供給の適正なバランスをとるのがデ・マーケティングであるといえる。

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ハイプ・サイクル(ハイプ曲線)

ハイプ・サイクル(hype cycle)とは、登場した新興技術に対する関心や普及の度合いを、段階過程の曲線上に表した図のこと。IT分野のマーケティングリサーチ会社ガートナー社が1995年に提唱、定義し、先進技術のハイプ・サイクルを毎年発表している。「ハイプ曲線」ともいう。

縦軸を期待度、横軸を時間軸とし、新興の技術がどのように期待され普及していくかを曲線上の以下の5つの段階に分類するというもの。

  1. 黎明期(Innovation Trigger)
  2. 「過度な期待」のピーク期(Peak of Inflated Expectations)
  3. 幻滅期(Trough of Disillusionment)
  4. 啓発期(Slope of Enlightenment)
  5. 生産性の安定期(Plateau of Productivity)

ハイプ・サイクル
ガートナー社のハイプ・サイクルより

該当の技術が普及して成熟するまでのどの段階にあるのかを把握でき、採用や評価の一助となる。

IDFA (Identifier for Advertisers)

IDFAとは、「Identifier for Advertisers」の略で、iPhoneをはじめとしたiOS端末やiPadOS端末を識別するアップル社独自のID(識別子)のこと。IDFAはユーザーの識別と計測のためにHTTP Cookieの代替として機能し、広告主はアプリで端末ごとに一意に付与されたIDFAを計測することで、それに基づくターゲティング広告を配信したり効果測定をすることができる。

2021年のiOS14.5以降、App Tracking Transparency (ATT) のリリースにより、広告主はIDFAを取得するのにユーザーの同意が必要となった。

Xジェンダー(ノンバイナリー)

Xジェンダー(X-gender)とは、「男性もしくは女性のどちらか一方」という男女二元論の二分法(バイナリー)に当てはまらない立場の人々のこと。男性女性のいずれでもない、あるいはどちらでもある、あるいは男女のグラデーションの間にあるといった多様性や流動性がある。読みは「エックスジェンダー」。

「Xジェンダー」は日本独自の表現である。出生時の性別に対する性同一性がXジェンダーであるとして、「MtX (Male to X)」「FtX (Female to X)」という表現もある。英語では「nonbinary gender, non-binary gender(ノンバイナリー・ジェンダー)」「nonbinary(ノンバイナリー)」の表現が近い。「genderqueer(ジェンダークィア)」「the third gender(第三の性)」の表現も過去に使われている。

性同一性として、「中性」「両性」「無性」「不定性」などがある。

英語の敬称は「Ms.」「Mr.」ではなく「Mx.(ミクス)」が用いられる。国によっては、出生証明書やパスポートなどの公的な書類で「nonbinary(ノンバイナリー)」を選ぶことができる。

交流人口

交流人口とは、地域外からその地域に訪れる旅行者や短期滞在者の人たちのこと。その地域に住む人々である「定住人口(居住人口)」に対する概念である。旅行に限らず、通勤通学や買い物、レジャーといった日常の移動によるものも含まれる。

日本では少子高齢化が進み、地方都市を中心に定住人口の増加が見込めない都市が増えてきた。その中で都市の集客力を高めて「交流人口」を増加することが、地域経済を活性化する手段として広く理解され、地方の政策に取り入れられている。

2010年代半ばからは、「『定住人口』でもなく観光で来た『交流人口』でもない、地域に何らかの形で関わりを持つ人々」として「関係人口」という概念も生まれている。

NDR(売上継続率)

NDRとは、Net Dollar Retentionの略で、既存顧客の売上を前年比で維持できているかを計る指標のこと。「売上継続率」。「NRR (Net Revenue Retention)」と同義。

既存顧客の売上(MRR, 月間経常収益)が前年度からどの程度増減しているかから、翌年度の売上を推測するものである。

SaaSなど契約ベースのサブスクリプションのビジネスでよく用いられる。「チャーンレート(解約率)」や「顧客維持率 (CRR)」とともに、顧客の継続性を計る指標である。

計算式など、詳しくは「NRR(売上継続率)」を参照のこと。

メタバース

メタバース(Metaverse)とは、アメリカのSF作家ニール・スティーヴンスン(Neal Stephenson)による1992年の小説『スノウ・クラッシュ (Snow Crash)』 で登場する、インターネット上の仮想世界のこと。そこから「インターネットの次の世界、インフラ」「オンラインとオフラインが統合した仮想空間」の概念を指す言葉として用いられる。

明確に定義されたものではないが、以下のような特徴をもつ前提で語られることが多い。

  • オンラインとオフラインが途切れることなく同期して存在する日常の延長である
  • 誰でも利用できる
  • 経済活動が行われている

バーチャルリアリティ(VR)拡張現実(AR)、アバターを用いたオンラインスペースなどがメタバースの概念の一部に含まれるが、それら個別の事象がメタバースというわけではない。また、バーチャルなスペース、ゲーム、デジタルな通貨や経済も、それ単体ではメタバースではない。

「meta(越えた、超越した、高次の)」と「universe(宇宙)」を合わせた造語である。

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