リカーリング

リカーリング(recurring)とは、取引を一度で終えるのではなく、繰り返し継続して取引を行う循環性のビジネスモデルのこと。

プリンターやカミソリ、ウォーターサーバーのように、本体を安く販売して消耗品や附属品の追加販売で安定した収益を上げる仕組みや(キャプティブ価格戦略)、プラットフォームとしてゲーム機を販売し、ゲームソフトやコンテンツを販売、配信する仕組みなどがある。「リカーリングビジネス」とも呼ぶ。

利用者がいる限り継続的に収益を上げやすく、景気の変動も受けにくいといったメリットがある。

電気や水道、ガス、電話やインターネットといったインフラサービスも、毎月の利用料金を継続して支払うリカーリングの一つである。

一定期間のサービス利用権を定額で支払う「サブスクリプション」も、コストの変動しないリカーリングといえる。

オーバーストア

オーバーストアとは、小売店などの商業施設がその商圏の需要よりも過剰に出店している状態のこと。オーバーストアが続くと供給過多になり、競争の激化や売上の減少、中小小売店の廃業につながる。和製英語である。

大手企業による急激な店舗展開により、地方都市への大型のスーパーマーケットやショッピングセンターの出店、ドミナント戦略によるコンビニエンスストアの集中出店などが起き、地元の中小小売店の経営に大きな影響を与えて注目されるようになった。

人口の減少や大型店の競争激化もあり、人手不足や大型店撤退による建物の廃墟化といった課題も出てくるようになった。

新近効果(リーセンシー効果、終末効果)

新近効果(recency effect, リーセンシー効果)とは、最後に与えられた情報や直前に与えられた情報が印象に残り、評価に影響を及ぼす現象のこと。「新近性効果」「終末効果」とも呼ばれる。より直近の新しい記憶の方が短期記憶に残りやすく、再生率が良い状態である。

アメリカの心理学者ノーマン・H・アンダーソン(Norman Henry Anderson)が1976年に提唱した。

新近効果の対として、最初に与えられた情報が印象に残り、後の評価に影響を及ぼす現象のことを「初頭効果」という。また、一連の情報における項目の位置によって記憶の想起に差が出るという「系列位置効果」とも関連する。

「親近効果」は誤表記。

初頭効果(プライマシー効果)

初頭効果(プライマシー効果, primacy effect)とは、最初に与えられた情報が印象に残って長期記憶に引き継がれやすく、後の評価に影響を及ぼす現象のこと。情報を並列に扱った場合に起こりやすいとされる。人物や物事の第一印象が長期間に渡って残るのは、初頭効果の影響である。

1946年にポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュ(Solomon Eliot Asch)が、印象形成において提示の順序で異なる印象が形成されることを見いだし、提唱した。

初頭効果の対として、最後に与えられた情報や直前に与えられた情報が印象に残り、評価に影響を及ぼす現象を「新近効果(終末効果)」という。また、一連の情報における項目の位置によって記憶の想起に差が出るという「系列位置効果」とも関連する。

テレメトリーデータ

テレメトリーデータ(telemetry data)とは、ソフトウェアやアプリケーションがパフォーマンス改善や品質向上を目的として収集するユーザーの利用状況データのこと。プロセスは自動化されて、データはメーカーやベンダーのコントロールセンターなど特定の地点へと送信、収集される。

このように遠隔地にいる利用者の測定データをコントロールセンターに送信して管理することを、「テレメトリー(遠隔情報収集)」という。

テレメトリーデータは個人を特定することはできないため、個人情報として扱われていなかった。しかし、2020年に施行されたカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)では個人情報に該当する可能性があり、送信の無効化に加えて削除できるようにするなど、利用者がテレメトリーデータをコントロールできるようにする動きが見られる。

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ネガティブチェック

ネガティブチェックとは、ビジネスの領域においては、短所や弱み、欠点や悪い点などの否定的な要素を事前に調査、評価すること。

サービスの導入や人材の採用、海外展開時の製品のネーミングなどにおいて、リスク回避の手段の一つとして行われる。複数候補からの適切な選択の際に役立つ。

主に採用する側が行うが、提案や応募する側が行う「採用されるための事前チェック」もネガティブチェックと呼ぶことがある。おそらく日本のビジネス用語である。

また、文章に間違いがないかを大まかに校正することも「ネガティブチェック」「ネガチェック」と呼ばれる。

スティッキネス(粘着性)

スティッキネス(stickiness)とは、ビジネス領域においてはユーザーがそのサービスにいかに惹きつけられ、熱中しているかを表す状態のこと。「粘着性」とも訳される。一般的には、ユーザーがそのサービスに接している時間の長さや、利用する頻度を元に推し量られる。

  • ユーザーのサービスの利用時間、Webサイトの滞在時間
  • ユーザーのサービスの利用頻度、リピート頻度、アクティブさ

必ずしも両者を満たす必要はなく、どちらか一方をもってスティッキネスを表すこともある。

「サービスの利用時間、Webサイトの滞在時間」は、一回の利用時間の長さは必ずしも粘着性を表さないことがある。利用中に遠回りを強いられたりわかりにくいサービスであれば、一回の利用時間は必然的に長くなるからである。しかし、頻度高く利用するユーザーの長い利用時間は、粘着性をもって接していることを推測できる。ユーザーの可処分時間は有限であり、その中で占める利用時間の長さや割合、「月間総利用時間」などは、スティッキネスを表す指標として有効である。

「利用頻度、アクティブさ」は、「MAU(月間アクティブユーザー数)」「WAU(週間アクティブユーザー数)」「DAU(デイリーアクティブユーザー数)」といったアクティブユーザー数の指標、「DAU/MAU比率」「WAU/MAU比率」「ユーザー数あたりのセッション数」といったアクティブ率を表す指標などが用いられる。

類似の概念にエンゲージメントがある。エンゲージメントはあくまで積極的な関与であり、ポジネガ両方かつ一過性のものも含む。それに対しスティッキネスは、ポジティブなニュアンスを多く含み、かつ持続性の長いものとして長期にわたるリテンションやフリークエンシーを期待される。ユーザーが意志を持ってリテンションに駆られるのがスティッキネスである。

WAU(週間アクティブユーザー数)

WAUとは、Weekly Active Usersの略で、主にWebサービスやアプリなどで週1回以上サービスを利用したユーザー数を表す指標のこと。週間アクティブユーザー数。読みは「ダブリューエーユー」。

毎日何度も利用するほどではないが、平日と週末含めて1週間に数回利用するようなサービスで、利用規模や利用実態、アクティブさを表す指標として用いられる。WAUをMAU(月間アクティブユーザー数)で割った「WAU/MAU比率」でアクティブ率を測ることもある。

1日に何度も頻繁に利用されるサービスであればDAU(デイリーアクティブユーザー数)が、月に数回程度の利用頻度であればMAU(月間アクティブユーザー数)がそれぞれ用いられ、WAUと併用されることもある。

WAUは、基本的にはユーザー登録やログインをして利用するサービスで用いられる指標である。そのため、基本的にはデバイスや端末が異なっても重複してカウントしないことが求められる。一般的なWebサイトのようにログインせずに利用するサービスでは、ユニークユーザー数やユニークブラウザー数の指標を用いる。

外的参照価格

外的参照価格とは、消費者が商品を購入する際の基準となる価格「参照価格」のうち、売り場のPOPなどに掲示されているメーカー希望小売価格や当店通常価格のこと。外部で入手できる価格情報のこと。実売価格が外的参照価格よりも低い場合、相対的に「安い」と感じて購入意欲がわきやすい。

メーカーがオープン価格を採用するのは、外的参照価格をわからないようにするという目的もある。

外的参照価格に対して、過去の経験などから形成された消費者の記憶の中の価格のことを「内的参照価格」という。消費者は、内的参照価格と外的参照価格、実売価格の3種類の価格を比較し、購入の判断をする。

内的参照価格

内的参照価格とは、消費者が商品を購入する際の基準となる価格「参照価格」のうち、過去の経験などから形成された消費者の記憶の中の価格のこと。その人が妥当と考える「値頃感」であり、個人差がある。実売価格が内的参照価格よりも低い場合、相対的に「安い」と感じて購入意欲がわきやすい。

内的参照価格には、消費者の期待や願望を反映したものと、過去に購入、観察したものがある。その商品ブランドのブランド・エクイティが高い場合、内的参照価格は高くなる。

内的参照価格に対して、売り場に掲示されているメーカー希望小売価格や当店通常価格のことを「外的参照価格」という。消費者は、内的参照価格と外的参照価格、実売価格の3種類の価格を比較し、購入の判断をする。

参照価格

参照価格とは、消費者が商品を購入する際の基準となる価格のこと。実売価格が参照価格よりも低い場合、相対的に「安い」と感じて購入意欲がわく。参照価格よりも高い場合は「高い」と感じて購入意欲は減少する。

参照価格は、内的参照価格外的参照価格に分類される。内的参照価格は過去の経験から形成された消費者の記憶の中の基準価格のことで、外的参照価格は売り場のPOPなどに掲示されているメーカー希望小売価格や当店通常価格のことである。

  • 内的参照価格:過去の経験から形成された消費者の記憶の中の基準価格
  • 外的参照価格:売り場に掲示されているメーカー希望小売価格や当店通常価格

消費者は、内的参照価格と外的参照価格、実売価格の3種類の価格を比較し、購入の判断をする。

トリム平均(調整平均, 刈込み平均)

トリム平均とは、上位と下位のデータを一定の割合で取り除いて計算した平均値のこと。データの中に外れ値異常値がある場合、平均値がそれらに影響を受けないように除外できる。「刈込み平均」「調整平均」ともいう。

最小値側と最大値側からそれぞれ5%のデータを除去する場合、「5%トリム平均」という表現を用いる。25%トリム平均は「中央平均」と呼ぶ。

エクセルによるトリム平均

エクセルでトリム平均を求めるには、TRIMMEAN関数を用いる。

=TRIMMEAN(配列,割合)

上位と下位からそれぞれ5%を除去する「5%トリム平均」を求める場合、エクセルでは「上位と下位からそれぞれ5%、合計10%の割合」を指定することに注意。

使用例
=TRIMMEAN(B2:B10,0.1)

観測気球(アドバルーン発言)

観測気球とは、政治やビジネスにおいては、世論や関係者の反応を探るための意図的な発言や情報流布のこと。議論や調整が進んでいないテーマについて、関係者がどのような反応をするのかを探るために行う。「観測気球を上げる」などのように用いる。「アドバルーン発言」「観測発言」「バロンデッセ (ballon d’essai)」とも言う。

政治においてはオフレコとして匿名で情報が流されることがある。

観測記事(アドバルーン記事)

類似のものに、新聞や雑誌、Webサイトなどのメディアが公開する、ある事象の正式発表前の予想記事を「観測記事」「アドバルーン記事」「バルーン記事」という。観測記事においても、関係者がメディアへ情報を意図的にリークしてその反応を見る場合がある。

間接部門

間接部門とは、企業の部門の中で、企業の利益に直接影響を与える「直接部門」を支援する部門のこと。間接的に企業の利益に影響を与える部門である。経理や総務、人事、法務、情報システムといったバックオフィス業務、コーポレート部門が該当する。

事務作業などの業務もあるため、業務の効率化や品質向上の対象になりやすく、社外へアウトソーシングされやすい。

コストセンターと該当部門が似ており、近しい意味で用いられることがあるが、企業によっては間接部門でも何らかの取り組みで利益に貢献してプロフィットセンターへ転換している企業もある。

SERP(検索エンジン結果ページ)

SERPとは、Search Engine Result Pageの略で、ユーザーが検索エンジンで検索した際に表示される検索結果ページのこと。読みは「サープ」。複数形で「SERPs」と表記されることもある。

SERPでは、検索したキーワードに関する情報が表示され、検索エンジンが選んだWebサイトページ、画像や動画、地図情報に加えて、検索連動型広告(リスティング広告)が表示されることもある。

近年では、SERPにユーザーが知りたい情報そのものが提示されることがあり、SERPだけでユーザーの検索行動が完結するケースがある(ゼロクリック検索)。例えばGoogleが提示するナレッジグラフ、強調スニペットをはじめとしたアンサーボックスでは、人や場所や出来事の基本情報、言葉の意味などを知ることができる。

コンテンツシンジケーション

コンテンツシンジケーション(content syndication)とは、コンテンツや記事を発信元のWebサイトの中だけの掲載にとどめるのではなく、第三者のWebサイトに記事配信、記事提供して再配布する仕組みのこと。大手メディアサイトへ記事配信をした場合、より多くのユーザーにリーチし、認知度の拡大につながるといったメリットがある。

第三者のWebサイトに配信した記事からは、元記事にリンクをはったりcanonical属性で元記事のURLを正規化指定するなどで発信元に誘導することができる。しかしそれができない場合、オリジナルの元記事よりも配信記事の方が検索エンジンの検索結果の上位に表示されるなどで、検索エンジンからの流入が減少するリスクがある。

スーパーアプリ

スーパーアプリ(Super App)とは、プラットフォームの位置づけのスマートフォンアプリの中に、SNSやEC、支払いや各種サービスを利用できるミニアプリがそろい、シームレスに利用できる統合アプリのこと。ユーザーは、用途ごとに異なるアプリを複数起動させることなく、一つのスーパーアプリの中で利便性高く目的を完遂できる。その結果、そのアプリは可処分時間の中での占有率が高くなる。

例えば中国では、AlipayとWeChatがスーパーアプリとして普及している。メッセージングのコミュニケーションから食事のデリバリー、シェアサイクルやタクシー配車、決済まで、多くのことをスーパーアプリで行える。インドネシアではGo-Jekが普及している。

日本では、2019年にYahoo! Japan親会社のZホールディングスとLINEが経営統合を発表した際、スーパーアプリ化を目指すPayPayの戦略を加速させるものとして大きく取り上げられ、注目を集めた。

スーパーアプリを目指すPayPay。ソフトバンク株式会社 2020年3月期 第2四半期決算資料より
ソフトバンク株式会社 2020年3月期 第2四半期決算資料より

飛び道具

飛び道具とは、もともとは遠方の敵や目標に向けて攻撃する弓矢や銃などの武器のことだが、そこから転じて突然現れた意表を突く正攻法ではないモノや人、アイデア、ネタなどを指す。近年では武器から転じた後者の意味での使用が多い。

一見、突拍子もないアイデアのように見えるが、多くは事前に仕込まれたもの、あるいはもともと備わっている性格、能力であり、異端で邪道でありながら斬新で効果的な要素や手法を指す。

デバイスフィンガープリンティング

デバイスフィンガープリンティング(device fingerprinting)とは、Cookieや端末IDなどに依存せずにスマートフォンやパソコンなどの個々のユーザー判定、デバイス判別をする“指紋”データ作成の技術のこと。「デバイスフィンガープリント」、単に「フィンガープリンティング」「フィンガープリント」と呼ぶこともある。

通信時に取得したユーザー環境の情報やユーザーエージェント文字列、例えばOSの種類とバージョン、デバイスの解像度、ブラウザーの種類とバージョン、タイムゾーンや言語、インストール済みのフォント、ネットワーク環境などを組み合わせて、特定の端末を推定、識別する技術である。

アプリでのアクセス解析やスマートフォンアプリへのターゲティング広告など、Cookieを使えない環境でのユーザー追跡の代替手段として利用されている。

2018年より、ブラウザーのChromeやFirefoxでは、プライバシーの観点からデバイスフィンガープリンティングを用いたユーザーの追跡を制御する取り組みを開始している。

デシル分析

デシル分析とは、全顧客の購入金額の高い順に10等分の顧客グループを作り、各グループ(デシル1~10)の購入金額比率などを算出する顧客分析の手法のこと。購入金額比率によって、どれぐらいの上位グループに対してマーケティング施策を行うべきかを把握できる。

「デシル」はラテン語の「10等分」を意味する。

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